今回は、炭素Cの同素体について書いていこうと思います。
1.同素体とは
元素には、性質の異なる複数の単体が存在します。これを同素体と言います。また原子番号が同じ原子でも、中性子の数が異なるものを同位体(アイソトープ)といいます。
今回は、同素体について見ていきたいと思います。
2 同素体の具体例
有名な同素体には、酸素(O2)とオゾン(O3)
リン(P)の同素体には、赤リンと黄(おう)リン
硫黄(S)には、斜方(しゃほう)硫黄と単斜(たんしゃ)硫黄などがあります。
3 炭素の同素体
炭素の同素体には、黒鉛(グラファイト)・ダイヤモンド・フラーレン・グラフェン・カーボンナノチューブなどがあります。
今回は、黒鉛(グラファイト)・ダイヤモンド・フラーレンについてそれぞれの性質を見ていきたいと思います。
黒鉛は、柔らかく、電気をよく通します。
構造は、上の写真のようになっており、面内(横の結合)は、強い共有結合で繋がっており、
層と層の間(縦の結合)は、弱いファンデルワールス力が主に働いています。
グラファイトは、この層の面内を電子が自由に動くことができるため電気をよく通します。
また、グラファイトは、高温での断熱材、電極、るつぼ、身近なものだと鉛筆の材料としても使用されています。
5 ダイヤモンドの性質
ダイヤモンドは、非常に硬く、電気的絶縁性(電気を通さない)を示します。
構造は、上の写真のようになっており、正四面体が繰り返されたような立体構造をとります。
隣接する炭素原子は、共有結合で強く結ばれています。おもに宝石や研磨剤として使用されています。
6 フラーレンの性質
フラーレンは、1985年に合成発見された同素体です。割と最近ですね。
構造は、上の写真のようになっており、サッカーボールのような形をしています。フラーレンは、形状がよく入試などで問われることが多いです。
7 まとめ
・性質の異なる複数の単体を同素体と言う。
・炭素の同素体には、黒鉛(グラファイト)・ダイヤモンド・フラーレン・グラフェン・カーボンナノチューブなどがある
・ダイヤモンドは、非常に硬く、電気的絶縁性(電気を通さない)を示す。
・フラーレンの構造は、サッカーボール状
今回、紹介した以外にも日常生活に役立たれている同素体は、炭素以外にもたくさんあるので興味のあるかたは、調べて見てください
最後まで読んでいただきありがとうございました