今回は、酸と塩基の定義と性質について書いていきたいと思います。
1 酸と塩基の性質
酸の性質
・青色リトマス紙を赤色に変える
・塩基と反応し中和する
・酸味がある
塩基の性質
・苦味がある
・手につくとぬるぬるする
・赤色リトマス紙を青色に変える
・酸と反応し中和する
などの性質を持ちます。
2 酸と塩基の定義
次に酸と塩基の定義について見ていきます。酸と塩基の定義は、主に3つあり、アレニウスの定義、ブレンステッド・ローリーの定義、ルイスの定義があります。
3 アレニウスの定義
アレニウス(スウェーデン)は、「酸とは、水に溶けて水素イオンH+を生じる物質であり、塩基とは、水に溶けて水酸化物イオンOH -
を生じる物質である」と定義しました。
具体例を挙げると
HCl→H++Cl-
CH3COOH⇔H++CH3COO-
これらは、水素イオンを生じるので酸ですね。
逆に
NaOH→Na++ OH-
は、水酸化物イオンを生じるので塩基です。
4 ブレンステッド・ローリーの定義
ブレンステッド(デンマーク)とローリー(イギリス)は、「酸とは、水素イオンH+を与える分子・イオンであり、塩基とは、水素イオンを受けとる分子・イオンである。」と定義しました。
この定義は、アレニウスの定義と少し似ていますが、アレニウスの定義では、説明できない事が説明、出来る様になっています。
具体例を見ていくと
NH3+H2O⇔NH4++ OH-
これは、アンモニアの電離反応です。
矢印が右に向いているときは、塩基がNH3(アンモニア)、H2O(水)が酸です。
反応の右側を見て見るとNH3がH+を受け取っていることがわかりますね。また、H2O(水)は、 H+を与えて OH-になっている事がわかります。
また同じ考え方で矢印が左に向いているときは、NH4+が酸、 OH-が塩基になります。
この定義では、同じ物資でも、酸・塩基の働き方は、反応の相手によって決まります。
5 ルイスの定義
ルイスの定義では、「酸は、電子対を受け取るもの(電子受容体)、塩基とは、電子対を与えるもの(電子供与体)」です。
この定義では、水素イオン H+のやり取りがないものについても酸と塩基の定義が出来ます。
この定義で、定義された酸は、ルイス酸、塩基をルイスの塩基といいます。
6 まとめ
今回は、3つの定義を見ていきました、それぞれの定義は、ルイスの定義>ブレンステッド・ローリーの定義>アレニウスの定義の順でそれぞれ条件が緩くなっています。どれも重要な定義なのでしっかりと抑えておきたいですね!
最後まで読んで頂きありがとうございました。